「戦争とは減点方式の試験なの」
高順はそう言い放った。
彼女の前にいるのは彼女の配下……だけではなく、始まる直前に事態を聞きつけた曹操がやってきて、お供とばかりに夏侯姉妹もやってきてしまっていた。
ともあれ、そんな一同を前に高順は怯まずに持論を展開し始めた。
なお、身内の会合に勝手に参加したという手前、曹操は自分に礼を払わなくてよい、とあらかじめ告げてあった。
「どういうことなんだ?」
さっぱり分からない、と言いたげな馬超と夏侯惇。
他の面々は何となくわかったらしく、中でも曹操は言い得て妙と感心した風に頷いていた。
「例えば戦争開始時に100点、すなわち全く力を消耗していない状態。そこから戦闘を重ねるごとに勝っても負けても点数が引かれていく」
ふむふむ、と頷く2人。
「で、点数の引かれる度合いは戦闘での失策に応じて上下する。例えば損害少なく万の敵を打ち破ったなら5点引かれ、逆に多大な損失を出したなら20点引かれる、という風に」
ここで3人も分かったらしく、しきりに頷いている。
「戦争は失策の少ない方が勝つ。最初に0点になった奴が負けよ。0点になったときは民衆が暴動起こしたり、本拠地が敵に包囲されていたりでもう死ぬ目前」
「じゃあさ、その点数っていうのは100点で固定なのか?」
馬超の問いに高順は待ってましたと言わんばかりに答える。
「持ち点は変化するわ。善政を行い、民から慕われ、資金・物資共に豊富ならば……100万点にもなるし、逆に悪政を行なっていれば50点になったり」
そこまで言い、高順は一同を見回す。
馬超も夏侯惇もしっかりついてきているのを確認し、さらに続ける。
「孫子も言っているように戦って勝つのは次策、戦わずして勝つのが最も良いの。だって、勝った方も負けた方も何一つ失っていない。勝った方はそのまま負かした方を取り込むことができる」
早い話、と高順は続ける。
「手柄とか領土が欲しいからって戦争を起こすのは二流のすることよ。洗練された戦争において、君主は剣で戦わず口で戦う。何よりも、戦争なんて費用ばっかりかかって儲からない」
そこまで言い、もっともと高順は続ける。
「これはあくまで国と国の場合。例外の一つを上げるならば、一つの国の中での内乱などでは相手は取り合わない」
そして、彼女は曹操へと視線を向ける。
その視線を受け、曹操は口を開いた。
「全く持ってその通りよ。相手が賢ければ戦わずに降伏というのもありえるでしょうが、それはまずない。あなたもそうでしょう?」
曹操の問いかけに高順は頷く。
彼女も、たとえ曹操が100万の大軍を率いて攻め寄せようが、戦うつもりであった。
「あなたも私も、その他諸々の連中も結局は愚かに過ぎないわ。だって、戦わずに話し合いで決着をつける、ということをしないんですもの」
「その通り。でも、私は外交的努力は無駄ではない、と思うの。話し合いはしてみるべき」
その言葉に曹操は高順に失望したかのように溜息を吐いてみせた。
そんな甘いことを言っていられる状況ではないだろう、と。
曹操には予感があった。
来るべき乱世はまさに急流の如き勢いである、と。
だが、次の高順の言葉に曹操は戦慄した。
「話し合いをさせておいて、そっちに目を向けさせ、敵を油断させる。その間に兵力を密かに集結させ、決裂すればそのまま迅速に攻めこむ。結べば兵を引く」
「……素晴らしいわ」
この時代、まだ常備軍というものは存在しない。
故に戦争が開始されてすぐに兵力が派遣され、お互いの兵士が斬り合うという事態はまずない。
戦争開始、もしくはその直前で募兵を始め、訓練と共に様々な準備を整える為にある程度の期間が必要となる。
一見、攻撃側が有利に見えるが、被攻撃側も細作を敵側に放っている為に大規模な募兵などが行われればすぐに察知できる。
条件はほとんど互角だ。
高順の言ったことも、似たようなものであるが、曹操は気づいていた。
高順もまた常備軍の構想を持っている、と。
そう、高順の語った案は常備軍があれば可能だ。
募兵という一番察知されやすいものを無くすことができる。
兵糧などは事前に準備しておけばよく、軍の出動も賊退治や大規模演習などの適当なものをでっち上げることができる。
曹操から絶賛された高順だが、他の面々はどん引きであった。
武人達はともかく、文官見習いの陳宮も何だか悲しそうな顔だ。
高順殿が堕ちてしまわれたのです、とか何とか呟いている。
「勝利は常に貪欲に求め、努力する者の下に転がり込んでくる。卑怯だ何だと言って負けては意味が無い。勝者が歴史を作るの」
「その通りよ。それともあなた達は自分の体面に拘って、主に泥を舐めさせるのが趣味なのかしら?」
高順と曹操という2人から責められた面々は黙りこんでしまう。
2人の言うことはこれ以上ないくらいに道理であった。
戦争で負けては元も子もないのだ。
しかし……何と高順と曹操の息が合うことか。
それだけ曹操がこの時代において異質な存在であるという証なのかもしれない。
「……お腹空いた」
そんな中、呂布がお腹を鳴らす。
夕食は既に終わっているのだが、そんなことはお構いなかった。
そもそも、彼女は夕食で夏侯惇すらも呆れる程の量を食べているのだが……どうにも夏侯惇よりも燃費が悪いらしい。
しかし、そんな呂布の扱いも高順は慣れたもの。
彼女はおもむろに懐から干し肉を取り出す。
この干し肉、地味に彼女は気に入っており、携帯食として常に懐に入れている。
それを呂布へと差し出せば口の中にすぐさま入れ、もぐもぐと噛み締める。
その表情は見るものを和ますものであり、一同の頬を緩ませる。
そして、そんな呂布を一番気に入っているのは……やはりというか高順であった。
彼女は素早く呂布の隣に座り、ぎゅっと抱きつき、頬ずり。
そうされる呂布も嫌そうな素振りは全く見せず、抱きついてくる高順の頭を撫でる。
「……高順殿」
じーっと不満そうな目を向ける陳宮。
彼女からすればもっと自分に構って欲しかった。
「陳宮、私の傍ならいつでも空いてるわよ?」
そう言い、おいでおいでと手招きする曹操。
彼女は見抜いていた。
陳宮が磨けば光る原石であることを。
「孟徳殿は……何だか身の危険を感じるのです」
「あらそう? 閨で色々といっぱいお話しようかと思っていたのだけど」
うふふ、と怪しく笑う曹操。
「孟徳殿、耳寄りな情報を一つ提供しよう」
華雄の言葉に何事か、と視線が集まる。
「高順は優しいのも好きだが、どちらかといえば荒々しく組み伏せてからやられるのが好きだ」
不敵な笑みを浮かべ、華雄は告げた。
「……千金に値する情報だわ。ちょうどいいことに私もどちらかといえば相手を組み伏せる方が得意なのよ」
そっちの意味でも相性抜群なのね、と曹操はうっとりとしてしまう。
「なあ、馬岱。何の話だ?」
「姉様は知らなくていいことだよ。難しい大人の話」
そうなのか、と納得する馬超に相変わらず鈍いなぁ、と呆れる馬岱。
そんな娘の将来が心配になる馬騰。
「孟徳様、話が思い切り明後日の方向へ逸れていますが……」
よろしいのですか、と問う夏侯淵。
先ほどまであった厳粛な雰囲気は既になく、和気藹々としたものだ。
「ま、いいんじゃない。色々と収穫もあったし……」
そう言い、曹操は高順を見つめ、心の中で呟く。
倒すべき愛しい敵、と。
そのときであった。
慌ただしく兵士が部屋に駆け込んできた。
「賊らしき一団が陳留より北東20里の位置にある街を襲っているとのことです!」
その言葉に雰囲気は一瞬にして変わった。
「夏侯惇、ただちに親衛隊を率いて向かいなさい。夏侯淵、明朝より募兵を始めるわ。準備なさい」
矢継ぎ早に指示を出し、指示を受けるや否や夏侯姉妹が部屋を走って出ていく。
「陳宮、あなたは夏侯淵の手伝いを。高順達には馬を与えるわ。夏侯惇と協力し、偵察及び敵戦力の漸減を」
曹操の言葉に高順は不思議な顔で問いかける。
「孟徳殿、一つ聞きたいのですが……」
「何かしら?」
「本隊が来る前に殲滅したならば、どれだけ出しますか?」
面白い、と曹操は口元を吊り上げる。
「そうね……私が実家の蔵から持ってきた剣を2振りあげるわ。名剣よ」
そう言うが、先の模擬戦を見た後、曹操はその2振りの剣を高順に渡すつもりであった。
中々きっかけが掴めなかったが、今回の件は渡りに船だ。
「もう一声」
ねだる高順にしょうがないわねぇ、と口元に指をあて……そして、あることを思いついた。
「夜の空いた時間に私と1対1で話す権利とかどう?」
遠回しな言い方であるが、それは閨へのお誘い。
ただし、これは曹操の女好きという側面を知らなければ字面通りにしか受け取れない。
この中で知っているのは未来知識がある高順と夏侯姉妹のみであるが、その2人はいない。
そして、高順の返答はというと……
「喜んで」
快諾した。
彼女も曹操の容姿はいたく気に入っており、彼女とやれるならばとほいほい承諾してしまった。
まあ、曹操が両性具有であることを知って嫌悪する可能性も無いことはないが……それは極めて低い。
むしろ、何が何でも手元におこう、と躍起になる可能性の方が高い。
ともあれ、高順は華雄達へと微笑み、言った。
「行きましょうか。さくっとひねり潰しましょう」
高順はそう言い放った。
彼女の前にいるのは彼女の配下……だけではなく、始まる直前に事態を聞きつけた曹操がやってきて、お供とばかりに夏侯姉妹もやってきてしまっていた。
ともあれ、そんな一同を前に高順は怯まずに持論を展開し始めた。
なお、身内の会合に勝手に参加したという手前、曹操は自分に礼を払わなくてよい、とあらかじめ告げてあった。
「どういうことなんだ?」
さっぱり分からない、と言いたげな馬超と夏侯惇。
他の面々は何となくわかったらしく、中でも曹操は言い得て妙と感心した風に頷いていた。
「例えば戦争開始時に100点、すなわち全く力を消耗していない状態。そこから戦闘を重ねるごとに勝っても負けても点数が引かれていく」
ふむふむ、と頷く2人。
「で、点数の引かれる度合いは戦闘での失策に応じて上下する。例えば損害少なく万の敵を打ち破ったなら5点引かれ、逆に多大な損失を出したなら20点引かれる、という風に」
ここで3人も分かったらしく、しきりに頷いている。
「戦争は失策の少ない方が勝つ。最初に0点になった奴が負けよ。0点になったときは民衆が暴動起こしたり、本拠地が敵に包囲されていたりでもう死ぬ目前」
「じゃあさ、その点数っていうのは100点で固定なのか?」
馬超の問いに高順は待ってましたと言わんばかりに答える。
「持ち点は変化するわ。善政を行い、民から慕われ、資金・物資共に豊富ならば……100万点にもなるし、逆に悪政を行なっていれば50点になったり」
そこまで言い、高順は一同を見回す。
馬超も夏侯惇もしっかりついてきているのを確認し、さらに続ける。
「孫子も言っているように戦って勝つのは次策、戦わずして勝つのが最も良いの。だって、勝った方も負けた方も何一つ失っていない。勝った方はそのまま負かした方を取り込むことができる」
早い話、と高順は続ける。
「手柄とか領土が欲しいからって戦争を起こすのは二流のすることよ。洗練された戦争において、君主は剣で戦わず口で戦う。何よりも、戦争なんて費用ばっかりかかって儲からない」
そこまで言い、もっともと高順は続ける。
「これはあくまで国と国の場合。例外の一つを上げるならば、一つの国の中での内乱などでは相手は取り合わない」
そして、彼女は曹操へと視線を向ける。
その視線を受け、曹操は口を開いた。
「全く持ってその通りよ。相手が賢ければ戦わずに降伏というのもありえるでしょうが、それはまずない。あなたもそうでしょう?」
曹操の問いかけに高順は頷く。
彼女も、たとえ曹操が100万の大軍を率いて攻め寄せようが、戦うつもりであった。
「あなたも私も、その他諸々の連中も結局は愚かに過ぎないわ。だって、戦わずに話し合いで決着をつける、ということをしないんですもの」
「その通り。でも、私は外交的努力は無駄ではない、と思うの。話し合いはしてみるべき」
その言葉に曹操は高順に失望したかのように溜息を吐いてみせた。
そんな甘いことを言っていられる状況ではないだろう、と。
曹操には予感があった。
来るべき乱世はまさに急流の如き勢いである、と。
だが、次の高順の言葉に曹操は戦慄した。
「話し合いをさせておいて、そっちに目を向けさせ、敵を油断させる。その間に兵力を密かに集結させ、決裂すればそのまま迅速に攻めこむ。結べば兵を引く」
「……素晴らしいわ」
この時代、まだ常備軍というものは存在しない。
故に戦争が開始されてすぐに兵力が派遣され、お互いの兵士が斬り合うという事態はまずない。
戦争開始、もしくはその直前で募兵を始め、訓練と共に様々な準備を整える為にある程度の期間が必要となる。
一見、攻撃側が有利に見えるが、被攻撃側も細作を敵側に放っている為に大規模な募兵などが行われればすぐに察知できる。
条件はほとんど互角だ。
高順の言ったことも、似たようなものであるが、曹操は気づいていた。
高順もまた常備軍の構想を持っている、と。
そう、高順の語った案は常備軍があれば可能だ。
募兵という一番察知されやすいものを無くすことができる。
兵糧などは事前に準備しておけばよく、軍の出動も賊退治や大規模演習などの適当なものをでっち上げることができる。
曹操から絶賛された高順だが、他の面々はどん引きであった。
武人達はともかく、文官見習いの陳宮も何だか悲しそうな顔だ。
高順殿が堕ちてしまわれたのです、とか何とか呟いている。
「勝利は常に貪欲に求め、努力する者の下に転がり込んでくる。卑怯だ何だと言って負けては意味が無い。勝者が歴史を作るの」
「その通りよ。それともあなた達は自分の体面に拘って、主に泥を舐めさせるのが趣味なのかしら?」
高順と曹操という2人から責められた面々は黙りこんでしまう。
2人の言うことはこれ以上ないくらいに道理であった。
戦争で負けては元も子もないのだ。
しかし……何と高順と曹操の息が合うことか。
それだけ曹操がこの時代において異質な存在であるという証なのかもしれない。
「……お腹空いた」
そんな中、呂布がお腹を鳴らす。
夕食は既に終わっているのだが、そんなことはお構いなかった。
そもそも、彼女は夕食で夏侯惇すらも呆れる程の量を食べているのだが……どうにも夏侯惇よりも燃費が悪いらしい。
しかし、そんな呂布の扱いも高順は慣れたもの。
彼女はおもむろに懐から干し肉を取り出す。
この干し肉、地味に彼女は気に入っており、携帯食として常に懐に入れている。
それを呂布へと差し出せば口の中にすぐさま入れ、もぐもぐと噛み締める。
その表情は見るものを和ますものであり、一同の頬を緩ませる。
そして、そんな呂布を一番気に入っているのは……やはりというか高順であった。
彼女は素早く呂布の隣に座り、ぎゅっと抱きつき、頬ずり。
そうされる呂布も嫌そうな素振りは全く見せず、抱きついてくる高順の頭を撫でる。
「……高順殿」
じーっと不満そうな目を向ける陳宮。
彼女からすればもっと自分に構って欲しかった。
「陳宮、私の傍ならいつでも空いてるわよ?」
そう言い、おいでおいでと手招きする曹操。
彼女は見抜いていた。
陳宮が磨けば光る原石であることを。
「孟徳殿は……何だか身の危険を感じるのです」
「あらそう? 閨で色々といっぱいお話しようかと思っていたのだけど」
うふふ、と怪しく笑う曹操。
「孟徳殿、耳寄りな情報を一つ提供しよう」
華雄の言葉に何事か、と視線が集まる。
「高順は優しいのも好きだが、どちらかといえば荒々しく組み伏せてからやられるのが好きだ」
不敵な笑みを浮かべ、華雄は告げた。
「……千金に値する情報だわ。ちょうどいいことに私もどちらかといえば相手を組み伏せる方が得意なのよ」
そっちの意味でも相性抜群なのね、と曹操はうっとりとしてしまう。
「なあ、馬岱。何の話だ?」
「姉様は知らなくていいことだよ。難しい大人の話」
そうなのか、と納得する馬超に相変わらず鈍いなぁ、と呆れる馬岱。
そんな娘の将来が心配になる馬騰。
「孟徳様、話が思い切り明後日の方向へ逸れていますが……」
よろしいのですか、と問う夏侯淵。
先ほどまであった厳粛な雰囲気は既になく、和気藹々としたものだ。
「ま、いいんじゃない。色々と収穫もあったし……」
そう言い、曹操は高順を見つめ、心の中で呟く。
倒すべき愛しい敵、と。
そのときであった。
慌ただしく兵士が部屋に駆け込んできた。
「賊らしき一団が陳留より北東20里の位置にある街を襲っているとのことです!」
その言葉に雰囲気は一瞬にして変わった。
「夏侯惇、ただちに親衛隊を率いて向かいなさい。夏侯淵、明朝より募兵を始めるわ。準備なさい」
矢継ぎ早に指示を出し、指示を受けるや否や夏侯姉妹が部屋を走って出ていく。
「陳宮、あなたは夏侯淵の手伝いを。高順達には馬を与えるわ。夏侯惇と協力し、偵察及び敵戦力の漸減を」
曹操の言葉に高順は不思議な顔で問いかける。
「孟徳殿、一つ聞きたいのですが……」
「何かしら?」
「本隊が来る前に殲滅したならば、どれだけ出しますか?」
面白い、と曹操は口元を吊り上げる。
「そうね……私が実家の蔵から持ってきた剣を2振りあげるわ。名剣よ」
そう言うが、先の模擬戦を見た後、曹操はその2振りの剣を高順に渡すつもりであった。
中々きっかけが掴めなかったが、今回の件は渡りに船だ。
「もう一声」
ねだる高順にしょうがないわねぇ、と口元に指をあて……そして、あることを思いついた。
「夜の空いた時間に私と1対1で話す権利とかどう?」
遠回しな言い方であるが、それは閨へのお誘い。
ただし、これは曹操の女好きという側面を知らなければ字面通りにしか受け取れない。
この中で知っているのは未来知識がある高順と夏侯姉妹のみであるが、その2人はいない。
そして、高順の返答はというと……
「喜んで」
快諾した。
彼女も曹操の容姿はいたく気に入っており、彼女とやれるならばとほいほい承諾してしまった。
まあ、曹操が両性具有であることを知って嫌悪する可能性も無いことはないが……それは極めて低い。
むしろ、何が何でも手元におこう、と躍起になる可能性の方が高い。
ともあれ、高順は華雄達へと微笑み、言った。
「行きましょうか。さくっとひねり潰しましょう」