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待つ者達

 賈詡は自室でいつも以上に眉間に皺を寄せていた……ということはなく、珍しく彼女は頬を緩ませ、それでいて頬を朱に染めていた。

 高順から届いた手紙。
 要望書が1通と世間話的なものが1通。
 要望書に関しては主に輸送に関して触れられており、馬車や船を大体的に利用した物資輸送や兵員輸送、果ては運河の掘削などにも触れられている。
 これらは賈詡としても想定していたことであり、抜かりはない。


 問題はもう1通の、私的な方だ。
 そこには近況報告や新たに配下に加わった者の簡単な紹介と共に高順の思いがつらつらと綴られており、彼女が民の為ではなく自分の利益の為に歴史に名を残したい旨が書かれていた。
 それらを踏まえた上で賈詡にはずっと一緒にいて欲しい、と。
 最後に紙上で申し訳ないが、誰よりも早く賈詡に伝えたかった、と書かれていた。

 げに恐ろしきは高順である。
 彼女は賈詡の密かな思いをくすぐるかのように、こういうことをしてくるのだ。
 そして、もっとも駄目なところは高順はあくまで軍師として賈詡を見ており、女としては見ていないところ。

 これが正史のように男同士であるならば深い絆で結ばれたとかそういった美談で済むところだが、何分この世界は正史とは違う。
 故に賈詡にとってこれは高順からの愛の告白である、とそういう風に受け取ってしまったのだ。


「……えへへ」

 賈詡ははにかんでしまう。
 張勲辺りが見ればあなた誰ですか、と問いかけること間違い無い程に今の彼女は普段の刺々しさがなくなっている。

「もう我慢しなくていいのかな……」
 
 嬉しそうな顔でそう呟きつつも、思い描くは董卓のこと。
 彼女が高順を慕っているのは誰の目にも明らかであり、高順もまたそれを知っている。

 この世界においても妾あるいは側室という概念はある。
 とはいえ、君主が男であるならばそれは有効であるが、女が強いこの世界ではそういった存在は実質的な性欲発散の為に過ぎない。
 それを踏まえた上で女君主は妾や側室を持つ。
 性欲は色々な意味で偉大なのである。

 故に賈詡が出した結論は当然といえば当然なもの。

「月としっかり話し合って共有しよう」

 賈詡は彼女なりに両性具有について調べており、それによれば両性具有者は女であり男、男であり女、という性質から、性欲が極めて高いことがわかった。
 調べていくうちに嘘か本当か分からないが、あの妲己が両性具有者であったというどうでもいいことまで出てきたが、そこは些細なことだ。

 ともあれ、賈詡は未だ男も女も知らない乙女であり、自分1人でそんな高順を受け止められるか、という不安があった。
 そして、彼女はずば抜けて頭が良かった。
 下手に独占してこじれるよりは共有した方が問題が起きにくい、と判断したのだ。
 感情を殺して冷徹に判断を下せる賈詡だからこそ、そういう判断が下せたともいえる。

 もっとも……

「絶対にあの華雄とかいうのと肌を重ねてるんでしょうけどね」

 一転、渋い顔となる賈詡。
 別段、お互いに初めてでないと……というような信仰は彼女にはないが、それでも何となく釈然としない。
 猫に置いておいた魚を取られるような、そんな気分。

「幼馴染風情にボクは負けない……胸の価値は大小じゃない。形なんだ!」

 ばん、と机を叩いて立ち上がれば、ちょうど良く開く扉。
 入ってきたのは張勲。
 彼女は目をパチクリとさせる。

 そんな彼女に賈詡はゆっくりと椅子に座り、傍に置いてあったお茶を啜る。
 そして、賈詡は問いかけた。

「何か用? ボクは忙しいんだけど」
「今更なかったことにするのは無理ですよー?」

 真面目腐った顔で賈詡がなかったことにしようとするも、張勲はそれを見逃さない。

「で、それが愛しの主からの恋文ですか?」

 張勲の視線は机の上に広げられている手紙に注がれる。
 賈詡は素早くそれらを引き出しへとしまう。
 その行動に張勲はにっこりと笑みを浮かべる。

「大好きなんですね」
「うるさい」

 いつも通りの、否、いつも以上に眉間に皺を寄せる賈詡に張勲はくすくすと笑う。

「文和さんがそこまで惚れるって凄い人なんですねぇ」
「……まあ、カッコイイわね」

 張勲はまさかの返答に少し驚きつつも、からかうよりも情報を引き出す方が先と判断。
 すぐさま主を攻める方向へ。

「カッコイイ、ですか。きっとそれはもう凄いんでしょうね。強い方なんですか?」
「少なくとも、今、大陸で一番凄くて強いんじゃないの」

 賈詡の言うことはある意味、正解なのだが、張勲は恋は盲目という言葉を知っていたので、そこらへんを差っ引いて考える。
 賈詡がそういう評価をするということはある程度の名がある人物。
 そして、本拠地がない者といえば……

「西涼の馬騰さんですか? うちの総大将は」
「……は?」

 まさかの名前に賈詡は目を丸くした。
 その反応に張勲は外れと悟る。
 故に真っ向勝負に出ることにした。

「そろそろ教えてくれてもいいんじゃないですか? 半月前、あと1ヶ月でこっち来るって聞いてたんですけど、待ち切れないです」

 張勲の言葉に賈詡は溜息を吐く。
 まあ、陳留で客将をするなら1ヶ月以内に来れるとは限らない。
 ならばこそ、もう明かしてもいいかもしれない。

「張勲、あんたから見てボクは愚かであるか否か?」

 唐突な問いに張勲は首を傾げつつ、否と答える。

「ボクや董卓、張遼の主は高順。今ここにはいない配下として華雄、馬騰、馬超、馬岱、呂布、陳宮」

 張勲は固まった。
 しかし彼女もさるものですぐに我に返る。

「高順と華雄ってあの官軍を破った羌族の2人ですよね? 馬騰ってそのときの官軍の指揮官ですよね? 何でそんな方達が一緒にいるんですか?」

 張勲の問いも最もである。
 とはいえ、賈詡としても高順が馬騰を引き込んだことについては彼女からの手紙で知ったばかり。
 彼女も驚いたが、そのことは告白まがいの文章で彼方へと飛んでいってしまったのは言うまでもない。

「そこはボクもよくは分からないけど、今一番、あんたに聞きたいことは漢族ではない者を主に据えていることについてよ」

 賈詡の言葉に張勲は押し黙る。
 わりとのほほんとしている彼女であっても、異民族については知っている。
 略奪にあった街や村に立ち寄ったこともあり、その凄まじさは朧気ながらも理解できる。

 だが、賈詡には誤算が一つあった。
 それは張勲が民の為に頑張るというような人物ではないことだ。
 生真面目な輩ならば異民族=悪と断じて斬りかかってくるだろうが、彼女は自己中心的であり、自分が楽しければそれでいいや、という性質であった。

「私個人としては別にどうとも思いませんね。個人的に異民族の方には興味ありますし……」

 そこで言葉を切り、張勲はまっすぐに賈詡を見据える。

「私もただの暗愚な輩に命を預けるような酔狂者じゃないです。そりゃ、暗愚であってもとっても可愛かったりすれば話は別ですが」
「要するに高順に君主としての器があるかどうか、見極めるってことね」
「そういうことです」

 肯定する張勲に賈詡は不敵な笑みを浮かべてみせる。

「張勲、あなたは私の思った以上の成果を上げてくれているわ。だから、私はあなたみたいな人が他所へ行くのは大きな損失だと思う」

 そう言いつつ、賈詡は引き出しから冊子を取り出し、それを張勲へと渡す。

「大量生産に関する一考察及びその問題点?」

 表題を読み上げ、張勲は首を傾げる。
 そんな彼女に賈詡は告げる。

「それ、高順が出した原案よ。それを見れば高順が馬鹿ではないことが分かるはず」

 その言葉に張勲はパラパラと流し読みし始め……すぐに食い入るように読み始めた。


 規格統一、流れ作業、作業の細分化及び簡素化などなど。
 賈詡に簡単に言われていたが、これらは張勲にとっては天啓に等しい。
 ただ、悲しいことにこれらの知識は21世紀の学生であれば誰でも知っていること。
 テレビでも製造ラインなどはたびたびCMやニュースなどで流れる上に、何よりも社会系科目を取っていれば間違いなく概念的なものが教科書に載っている。
 

 彼女は顔を上げ、賈詡をまっすぐに見つめた。

「文和さん、これは本当に高順さんが?」
「ボクの真名に誓ってもいいわ」

 賈詡の返答に張勲は感嘆の息を吐く。

「他にも農業や商業、軍事に関しても原案を出しているわ」
「……あとは人格だけですね」
「そればっかりは会って判断して頂戴」

 まあ、嫌いにはならないでしょうね、と賈詡は心の中で呟く。
 漢族嫌い……とはいっても、高順は全ての者を毛嫌いするというわけではない。
 なぜならば、賈詡や董卓、張遼もまた漢族であるからだ。

 むしろ、そこらの役人よりも余程まともな人格であると賈詡は判断していた。

「ともあれ、張勲。馬車の方はどうなの?」
「あ、はい。馬車に関しては一応の設計が終わり、試作に入りました。これからは問題点の洗い出しです」
「そう。で、それは何人乗りなの?」

 ええと、と張勲は頭の中から詳細な性能を引き出す。

「確か4人乗りです」
「10人乗りが欲しいわ。それも完全武装した兵士が10人乗って、それなりの糧食も積める程度に」
「……みどりいろのおにが出ました」
「必要だから欲するの。鬼でも泰山府君でも何でもいいから作りなさい」
「はーい」
「あと、ボクが注釈つけたこっちを持って行って役立てなさい」

 賈詡は張勲の手から高順の原案を取り、注釈付きのものを渡す。
 張勲からすれば嬉しいものをもらったのだが、何分、要求される性能が鬼である。
 当然ながら1台に掛かる費用も安く抑えねばならないことから、彼女の苦労はとんでもない。


 しょんぼりしながら張勲は退室していった。

 そんな彼女を見送り、賈詡は引き出しから冊子を取り出す。
 そこに書かれていたのはひらがな及びカタカナ50音、そしてアルファベット。

 賈詡はこれらの文字を勉強しているところであった。
 少なくとも漢の地で高順と自分しか知らないこの文字。
 それはまさに暗号に最適であり、またアルファベットも読み方が幾つか種類があり、それらを用いればまず絶対に破れない暗号となる。

 そして、ローマ字読みすればアルファベットとひらがなに変換が容易に可能であることも見逃せない。
 問題はひらがなを漢の言葉に変換するところだが、そこも高順は抜かりなく必要最低限のものは既に冊子に書いてあった。

『……ボクは、あなたが好きです』

 口に出し、賈詡の顔が一瞬で真っ赤に染まる。
 日本語で紡がれた言葉は他の誰かが聞いてもさっぱりわからないだろう。

「ええい! やめやめ!」

 ぶんぶんと首を左右に振り、大きく深呼吸。
 彼女らしくないといえばらしくないが、まさかの告白でそれだけ浮かれている証拠であった。

 ふぅ、と溜息を一つ吐いて、賈詡は虚空をぼんやりと見つめる。
 いつからこうなったのか、と。

「……初めはただのバカだと思ってたんだけど」

 上司に無理矢理抱かれそうなところを助けてくれたことには感謝すれども、それだけで助けてくれた相手に恋愛感情を抱くような女は存在しない。
 それについては賈詡も例外ではない。
 その後、高順の嫌われっぷりを目の当たりにし、さらに高順は賊退治に1人で行って成し遂げて……賈詡がバカだと称したのもそこである。
 幾ら何でもアレは無謀であった。


「真名を預けたときは……まだそういう気持ちじゃなかった」

 呟き、賈詡は思い出した。
 高順の秘密を教えられたあのとき。

「何進に抱かれるって聞いたとき……かな。ボクは何か嫌だった」

 知らないうちに惹かれていた……否、そうならざるをえなかった、と賈詡は結論を出す。

「あんなに信頼されたら……主従関係なんか超えるよ……」

 その声は虚空に消えていった。












 同じ頃、董卓もまた自室で手紙をゆっくりと読んでいた。
 彼女が受け取った高順からの手紙には近況報告や新しく配下となった者達の簡単な紹介賈詡と同じように書かれており、そこからが違った。

 董卓を気遣う言葉や賈詡や張遼と関係はどうか、袁家の者に隠れてイジメられてはいないか、などとどこの保護者だと言いたくなるようなものであった。
 他にも書物を読むだけでは体に悪く、張遼に軽く鍛えてもらってはどうだろうか、というものもある。
 そして、紙上で申し訳ないが、という断りの後に彼女の母である董君雅の死に様が書かれていた。
 正確には高順が華雄から詳細に聞き出し、当時の状況を淡々と綴ったのだ。
 
 文末に高順は私も華雄も恨んでくれて構わないが、謝らない、と書いていた。
 確かに後ろめたさはあったものの、それを補ってあまりある自らの母親と部族を守ったという思いが高順と華雄にはあった。
 確かに董君雅には高順にとっては恩があるが、あくまでそれだけの関係だ。
 そもそも華雄はただ使者として会ったに過ぎない。


「恨まないよ。恨めるわけないよ……でも、ずっと一緒にいさせてもらうね」

 全てを読み終えた董卓は呟いた。
 その言葉は虚空に消えていく。

 そんな彼女はあることに思い至った。
 夜の生活をする際、胸は大きい方がいいだろう、と。

「……うーん」

 董卓は自分の胸元に視線を向け、ついで記憶にある自分の母親、張遼、高順、張勲、賈詡を思い浮かべる。
 母も高順も張遼も張勲も皆、胸は大きかった上に背も高い。
 対して賈詡は背は小さく、胸もそこまで大きくない。
 そして、董卓本人はというと……チビでぺったんこであった。

 背も高く、胸も大きい4人に共通する点。
 それは鍛錬していること。
 張勲は馬車にかかりきりだが、空いた時間に張遼と打ち合っているのを董卓は目撃している。
 そして、鍛錬をしていない賈詡が自分と似たようなものであることから、これは鍛錬しなければ、と董卓はすぐに思いつく。
 彼女も好き好んでチビのぺったんこでいるわけではない。

「霞さんにお願いしよう」

 思い立ったら吉日とばかりに董卓は張遼の下へ向かった。




「へ? 鍛えて欲しい?」

 自室で酒を飲んでいた張遼はまさかの来客のまさかの要望に目を丸くした。

「私、強くなりたいんです。色々な意味で」
「いや、それはええねんけど……」

 じーっと張遼は董卓の上から下まで見回す。
 華奢な体はとてもではないが、武器を持てそうに見えない。

 下手に何かやって怪我でもさせたら賈詡から大目玉を食らうのは間違いなく、張遼としてもそれは勘弁願いたいところだ。

「せやなぁ……ほならこれ、持てたらええわ」

 張遼はそう言い、壁に立てかけてあった己の青龍偃月刀を片手で持ち、董卓へと差し出す。
 差し出された方はごくり、と唾を飲み込み、それをしっかりと両手で持つ。

「ほな、離すで?」

 そう言い、張遼は手を離した。
 重さに耐えかねて董卓が取り落とすことを予想したが、それは外れた。
 董卓は不思議そうな顔で手元の偃月刀を見、そして張遼の顔を見る。

「えっと、霞さん。武器ってこんなに軽いんですか?」
「……ちょう待ち。それ、重いで? 片手で持ってみ?」

 張遼の言葉に董卓は片手を離し、頭上に持ちあげてみせる。
 彼女の顔は余裕そうであった。

「軽いんか?」
「はい。お箸を持ってるみたいです」
「じゃあ……あの棚、持ち上げてみ」

 張遼は今度こそは、と棚を指さした。
 書物がぎっしりと詰め込まれているその棚は張遼ですらも持ち上げるのは中々難しそうだ。
 もっとも、その書物は張遼が暇つぶしにと持ってきた艶本と軍略に関する物が半々であったりする。

 董卓は偃月刀を張遼に返し、棚に向き合った。
 そして、両端をしっかりと持ち……

「……悪い夢でも見てるんちゃうか」

 張遼は目の前で起こったことが信じられなかった。
 軽々と董卓は棚を持ち上げていた。

「えっと、もういいですか?」
「あ、せやな……おろしてええで」

 張遼の言葉を受け、董卓は棚を床に下ろす。

「なぁ、月。今まで重いもの持ったことあるん?」
「えっと、旅に出る前は使用人の方達が身の回りの世話を全部してくれて、勉強しかしなかったので、お箸や筆以外のものはあまり……」

 なるほど、と張遼は納得した。
 太守の娘ともなれば荷物なんぞ運ばない。
 そして、見た目から董卓が怪力を持っているようには到底思えない。
 故に董君雅も勉学を優先させたことは想像に難くない。

「よっしゃ。ウチがいっちょ鍛えたる」

 張遼の言葉に董卓は満面の笑みを浮かべる。
 そんな彼女に張遼は釘をさす。

「やけど、今の時代で強くなるっちゅーことはいずれ人を殺すことや。できるんか?」

 董卓はその言葉に一瞬怯む。
 彼女の胸には幾つかの思いがある。
 それは最初に思いついた背と胸が大きくなることも勿論だが、強くなればもっと高順の役に立てる、ということ。

 董卓にとって高順はもはや絶対に失ってはならない人物である。
 その為なら彼女はどんなこともやるつもりであった。

「できます」

 しばしの間を置いた答え。
 張遼はまっすぐに董卓を見据え、董卓はその視線を真っ向から受ける。

 睨み合いは数十秒にも及んだが、唐突に張遼は笑みを浮かべた。

「彩の為に?」
「へぅ……」

 顔を真っ赤にし、俯く董卓。
 そんな彼女に笑いつつ、頭を撫でる張遼。

「ええでええで。そういうのは大事や。刃を振るうのに重要なのは正義を抱くとかそういうもんやない。己が満足できる理由があるかどうかや」

 そもそも張遼からして、戦闘ができればそれで良いという人種だ。
 酷い目に遭っている民を助ける為に、という義憤に駆られてというわけではない。

「でもまあ、とりあえずは詠の許可もらわんとな。詠は月の先生やし」

 月にそんなことさせるなんてとんでもない、という大雷が落ちそうな予感がひしひしとしたが、張遼は最終的に賈詡は許可するだろう、と確信する。
 その理由は簡単で人手不足だから。
 文武が両方できる人材というのは稀有である。
 磨けば光る原石を、あの賈詡が放って置くわけがないのだ。

「うん。詠ちゃんもきっと分かってくれる」
「せやせや。いやー、ここにきてまさかの事態やな。文醜や顔良の相手も飽きとったことやし」

 張遼、暇を見つけては袁家の二枚看板を呼び出し、模擬戦を繰り返している。
 顔良はともかく、文醜は大いに乗り気で張遼に挑み……コテンパンにされている。
 文醜も弱くはないのだが、何分、猪であり攻撃が極めて読みやすかった。

 そこへ降って湧いた董卓である。
 弟子を取るというのは張遼にとっても初めてであり、少しの気恥ずかしさと共にどんな風に育てようかと心が踊った。

 そうして2人は連れ立って賈詡の部屋へと向かったのだった。


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