Categotry Archives: 小説

ハンニバルに学ぶ

  「……何かおかしいわね」  賈詡は望遠鏡で敵の動きを見ながら呟いた。 彼女から少し離れたところには公孫瓚、そして50の脱走兵が… (more…)

高順の退き口

 高順は迷っていた。 このまま進むか、それとも退くか――? つい先程、伝令兼督戦官として派遣されてきた法正に張松。 彼女らは100人程の子飼… (more…)

幕開け

「陣を構えて堂々と……そういう風に考えていたのかしらね」  高順はやれやれと溜息を吐いた。  その原因は劉璋軍にあった。  劉璋が直接指揮を… (more…)

決戦前夜

 涿県へと移って既に2週間が経過し、到着当初の慌ただしさも消えてきた。 高順と曹操は色々な意味で仲を深めつつも、お互いにいずれ倒さねばならな… (more…)

早いもの勝ち

 曹操・劉璋の軍勢は予定よりも1週間遅れて涿郡へと到着した。 高順はあの暗殺合戦が終了した直後に賈詡達を呼び寄せ、距離的に楼桑村と近いことも… (more…)

押して駄目なら引いてみろ

「死ねぇ……!」 ぎゅっと彼女は体の下にいる高順の首を締め付ける。 絞められた高順は苦しげな表情を浮かべながら、片手で首にかかっている手を掴… (more…)

寝台での大戦

 高順は宴の後、わりとしっかりとした足取りで亥倫ら5人と共に部屋へと戻っていた。 酔い潰れて爆睡――などという勿体ない時間の使い方を彼女がす… (more…)

郭奉孝、恐るべし

  楼桑村会戦から早1ヶ月が経過していた。 涿郡の中心である涿県、その主城と城下では駐屯する烏丸兵達がのんびりとしていた。 つい2週間程前、… (more…)

楼桑村会戦

「自分で言うのもアレだけど、これで負けたら私は歴史に残る大馬鹿ね」 高順は後軍の本陣にてそう告げ、周囲の笑いを誘った。 彼女が率いる将は到底… (more…)

勝利への道筋

 翌日から夏侯楙を傍に置いた高順は彼女に仕事を与えるということはせずに徹底的に聞き取り調査を行った。 実際に研修した自らの配下は勿論、曹操陣… (more…)

凡庸の人

 逃げた兵隊の穴埋めや対応について1ヶ月程でどうにか一段落した涿郡方面軍。 方面軍全体でみればたった300名程度の損失なので高順が言い訳した… (more…)

不幸な少女

「怖いくらいに何もかもが順調だわ」 曹操は陣中での執務の合間、そう呟いた。 彼女の元に集う綺羅星の如き人材、数多の義勇兵に商人や名士からの援… (more…)

たった一つの彼女だけのもの

 アシュレイは居城の自室にてゆったりとくつろぎながら、千鶴とメールをしていた。 「何だかんだで続いているわね」  そうアシュレイは呟いた。 … (more…)

赤い手段

 高順は天幕内で難しい顔をしていた。 彼女を難しい顔にさせているのは烏丸でもなければ漢の連合軍でもなかった。 その顔の原因は彼女子飼いの兵隊… (more…)

未来知識の本格的活用への第一歩

 そろりそろりと忍び寄る。 夜の闇に紛れて、彼らは獲物に襲いかかる。 見張りは疎ら。 野戦軍のように柵で囲んだ陣を張っているということもない… (more…)

表と裏

「曹孟徳様より派遣された郭奉孝です」「同じく、羊叙子です」「杜元凱です」 そう言う3人に高順はやれやれ、といった感じで呟いた。「予想はしてい… (more…)

勉強会

 楼桑村へ高順らがやってきて2週間余りが経過した。 この間、土嚢を積み上げ、柵を作るなどの防御陣地を村を取り囲むように構築を始めた。 村には… (more…)

楼桑村にて

 楼桑村は良くも悪くも平凡な村であった。 村の真ん中に名前の通りに大きな桑の木がある程度で、住民の数は100人にも満たない。 こんな村にも役… (more…)

楼桑村へ

 降伏した烏丸兵を取り込み、そして3000以上の幽州の住民達を一時的に保護した高順らは幽州の地理に詳しいという公孫瓚の言に従い、現在位置から… (more…)

ゲーム風 勢力解説&天の御遣い就職情報

エクストラシナリオ『共に天を戴かず』難易度は☆の数で表記曹操が兗州、高順が幽州遼東郡を有している状態でスタート曹操 難易度☆(超ヌルゲー)言… (more…)

精強な兵を取り込んだ彼女、最強の布陣を揃えた覇王

  一石二鳥の一騎打ち作戦。 それは予定通りに3000人を超える大観衆の前で行われることとなった。 烏丸側も策など関係無しに乗り気であり、あ… (more…)

不完全な実戦

「拙いわね」 賈詡は1人、司令部とされた特別仕立ての大型馬車に揺られながら頭を悩ませていた。 本来なら陳宮もここに詰めているのだが、今は高順… (more…)

戦場の昼食会

 北平を出立した高順一行は孫堅の本陣に特に何事もなく到着した。 到着直後、あの高順と華雄を一目見ようと多くの手すきの兵達が集まってきていたが… (more…)

2人の女性

 張譲と手を組み、対烏丸連合に参加することになった高順一派であったが、予め準備してあったが故に迅速に彼女らは駐屯地となっている旧交易地を後に… (more…)

賈文和の大手柄

「いつも思うが……あの歌は何とかならんのか?」 馬騰は渋い顔で傍らにいる華雄に問いかけた。 対する華雄はただ笑うのみ。 2人の目の前には運動… (more…)

綱渡り陣営

 年が明けて光和2年、西暦にすれば179年。 忘年会新年会と立て続けに宴会が行われ、多くの者がぐったりとしていたが、さすがに1週間もすればし… (more…)

それぞれの状況

 高順達が旧交易地にやってきて早半年。 この間、状況は更に変化しており、烏丸は幽州を席巻し、并州や冀州に迫らんとその勢力を強めていた。 無論… (more…)

節操がない彼女

 高順達が駐屯することとなった旧交易地――匈奴との交易が破棄された為――は南皮より北へ100里程のところにある。 すぐに高順は袁紹に挨拶しよ… (more…)

賈文和の本気

 高順が赤子問題を解決してしばらくしたある日のこと。「華琳様、よろしいのですか?」 夏侯淵は執務室にて主である曹操に問いかけた。 部屋には2… (more…)

水増し請求と赤子問題

 袁紹にうまいこと一杯食わされた賈詡であったが、彼女は再び備蓄物資や馬車をかき集め始めた。 なぜまた同じことを、と袁紹も田豊も沮授もこれには… (more…)

彼女こそ袁家の頭領

 高順が私兵を得てから2ヶ月程経ったある日の夜。 高順は曹操の政務が落ち着いた頃合いを見計らい、報酬である1対1で話す権利を要求し、それを曹… (more…)

はじめてのへいたい

 張角との一件と乱闘から1週間が経過した。 高順は賊徒らしき連中が陳留内に入り込んでいることを曹操に報告。 それを受け、彼女は厳しい予算の中… (more…)

高順無双

 高順は張三姉妹を曹操に引きあわせた後、すぐさま手紙を書いて出した。 曹操の息子達の件、そして黄巾の乱を起こすであろう張三姉妹を引き込んだこ… (more…)

変わる未来

「まさか本当に壊滅させるとは思ってもみなかった」 街へと戻り、高順達は夏侯惇と共に曹操率いる本隊を迎え、事の次第を報告したところ、曹操から出… (more…)

烏合の衆

 数日掛けて街に一行が辿り着いたとき、街は賊に襲われてはいなかった。 何事か、と夏侯惇が街の顔役に問いただせば賊はいたが、官軍である夏侯惇達… (more…)

戦争講義

「戦争とは減点方式の試験なの」 高順はそう言い放った。 彼女の前にいるのは彼女の配下……だけではなく、始まる直前に事態を聞きつけた曹操がやっ… (more…)

待つ者達

 賈詡は自室でいつも以上に眉間に皺を寄せていた……ということはなく、珍しく彼女は頬を緩ませ、それでいて頬を朱に染めていた。 高順から届いた手… (more…)

そのとき歴史が動いた

 曹操の下でお手伝い……というよりか、見学したり、簡単な事務仕事をしたり、偶に夏侯惇と手合わせして過ごす高順達。 その中で唯一、陳宮を曹操が… (more…)

客将達

「詠さん、今日は良い天気ですね」 にこにこと笑みを浮かべている袁紹。 そんな彼女に対して、賈詡は告げる。「単刀直入に言ってもらえませんか?」… (more…)

彼女の家臣

「……さすがの私もこれは予想できなかった」「これを予想できるなら占い師でもやった方がいいな」 高順の言葉に華雄が答える。 今、2人の目の前に… (more…)

圧倒的戦力差

 洛陽目指して……ではなく、冀州南皮目指して進むことになった高順一行。 道中特に何事も無く冀州の手前、并州へと入り、適当な街で宿を取ろうとい… (more…)

彼女の建前と本音

 陳宮が自己紹介を行い、また高順が彼女を雇ったこと、そして現状の異民族蔑視の風潮を無くし、大陸統一を成し遂げることを宣言した。 宦官打倒後の… (more…)

奮起

 洛陽目指して進む高順一行。 馬騰としては洛陽に行くことは色々と心情的に複雑だが、それでも高順や華雄に洛陽について教えておかなければならない… (more…)

5人の山賊狩り

 賈詡は気が重かった。 顔良からついさっき聞かされたとある連絡を董卓に伝えねばならないことに。 その連絡は言うまでもなく、母の悲報。 だが、… (more…)

忠誠こそ彼女らの名誉

 袁紹は泣いていた。 零れ落ちる涙はとめどなく、床へと滴り落ちる。 たまらなくなったのか、その身を折ってしまう。 彼女の前にいるのはただ賈詡… (more…)

暗躍

「未だに信じられへんけど……勝ってもうたな」「みたいね」 呆れた張遼に対し、だから何、と言いたげな賈詡。 実に対照的な2人である。「勝ちに行… (more…)

終わりの始まり

「予定通り、か」 万事順調とばかりに高順は呟いた。 砦に篭るではなく、かといって騎馬隊と共にというわけでもない。 彼女は少数の護衛とそして大… (more…)

頑張る女の子達

「ふん……満足のいく政治体制は存在しない。絶対の権力は絶対に腐敗する」 賈詡は敢えて聞こえるようにそう言った。 その声を聞きつけたのは自分の… (more…)

知将華雄

「……これで本当に大丈夫なのか?」 不安げな表情で1人、呟いたのは茶色髪の少女。 見た目から推測すれば15、6歳程度にしか見えない彼女はれっ… (more…)

相互理解の重要性

「戦術的勝利を幾ら重ねようと戦略的敗北は覆らない」 華雄隊が出陣して早数日。 高順は部族の長達、そして部隊を率いる者達を集め、講義を開いてい… (more…)