奮起



 洛陽目指して進む高順一行。
 馬騰としては洛陽に行くことは色々と心情的に複雑だが、それでも高順や華雄に洛陽について教えておかなければならない。
 宦官を倒すなら尚更だ。

 そんなわけで今日も今日とて進む一行。
 時折、馬騰に村や街で山賊から巻き上げた金目の物売ってもらい、路銀の足しにしつつ。 今や雍州の武功近辺にやってきていた。

 小さな川が横に流れ、反対側は森。
 食事をするにはもってこいの場所を一行は進む。

 そして、そろそろお昼休憩を取ろうか、と話していたときであった。



「何だアレ」

 いの一番に気がついたのは華雄。
 彼女の言葉に皆一斉にそちらを見る。
 茂みから飛び出している何か青緑色の糸のようなものの束。
 その傍には帽子が転がっている。

「とりあえず警戒するに越したことはないだろう」

 馬騰の言葉に皆一斉に戦闘態勢。
 高順も何が出てくるか分からないので山賊達から拝借し、気に入っている剣を構える。

 馬超と馬岱に荷物を任せ、3人でジリジリと近寄っていく。


 そして、華雄が意を決してその青緑の物体を得物の柄の先端で突っついた。
 感触的にどうやら髪の毛らしい、と彼女はあたりをつける。

「死体かもしれん」

 そう言いつつ、華雄は茂みを掻き分け、首筋を見つけるとゆっくりと引っ張った。
 予想以上の軽さに彼女は驚きつつも、完全に茂みから出すことに成功する。

 それは馬岱と同じくらいの背丈の、女の子であった。
 華雄は死体かどうか確認すべく、うつ伏せに倒れている女の子をひっくり返す。
 その顔を見て、華雄は思わず息を飲んだ。

 あまりにも痩せこけていた。
 もう何日も食べていないのだろう。
 肉などなく骨と皮しか残っていないのではないか、と思える程に。

 残る4人もそれを見、思わず息を飲んだ。

「で、どうするんだ?」

 いち早く我に返った馬騰が高順に問いかけた。
 高順は暫しの逡巡の後、告げる。

「助ける」
「お前や華雄を嫌悪するかもしれないのに?」

 挑戦的な視線を高順に向け、馬騰はそう問いかけた。

「今、彼女は私達を嫌っていない。それに、嫌われるということはそれだけ元気になったということ。どっちに転んでも別にいい」

 それに、と彼女は続ける。

「たまには人助けの一つくらいしても悪くはない」

 そう言いつつ、もはや問答は終わり、と高順は動く。
 その女の子を胸に抱き、真剣な表情で呼吸と脈を確認する。
 馬騰はその様子に自分の出番はないか、と思った。
 彼女は母親であり、こういうときの対処法を心得ていた。

 対する高順の知識は家庭の医学やテレビなどで聞きかじった程度。
 他には戦場での病気として代表的なものの症状と治療に必要な薬程度しか知らない。
 しかし、彼女はそんなことなど関係ない、とやる気であった。

「とりあえず重湯を大至急」

 その言葉に馬騰が心得た、と素早く動いた。
 馬超と馬岱に水を汲んでくるよう指示を出し、テキパキと自らも準備を始めている。

 高順は飢餓状態で起こりそうな病を頭に思い浮かべる。
 戦場での飢餓、そこに襲いかかる病気。

 すぐに彼女はガダルカナルという単語が浮かんできたが、幸いにもマラリアやデング熱は勿論のこと、エボラ出血熱という21世紀の医学でも治療が難しい感染症は中国には存在しない。

 高順は冷静に女の子を観察し、足が酷くむくんでいることに気がついた。
 これは、と気がついた彼女はただちに膝小僧のあたりを軽く叩く。
 正常なら足は神経によりかくん、と伸びる筈だ。
 だが、その子の足は伸びない。

 その原因はすぐに見当がついた。
 また長期に渡り野菜を食べていないことが予期されることから、もう一つの病に罹っている可能性がある。

「塩漬けにした野菜を細かく砕いて。あと大豆を煮てそれをすり潰して」

 数日もすればどうにかよくなる筈だ、と高順は信じたかった。








 別段急いでいるわけでもなかった一行は女の子に食事をゆっくりと与えた。
 胃がうけつけない為か、数度吐いたがそれでもどうにか食べさせることに成功した。
 そして、雨風を凌げる場所を、と近くの街まで高順自ら女の子をおんぶし、また彼女と華雄はその容姿が目立たぬよう外套を纏った。
 多少怪しまれたものの、どうにかその街で宿を取ることができ、ようやく一息つくことができた。
 はじめから外套被ってれば特に問題は起きなかったんじゃないのか、と一同は思ったが、過ぎたことを気にしてもしょうがない、と開き直ることにした。

 そして、瞬く間に時間は過ぎ去った。







「……?」

 ぱちくりと彼女は目を開けた。
 見慣れぬ天井に不思議に思いつつ、起き上がろうとして力が入らないことに気がついた。
 
 そして思い出す最期の風景。
 痛む足に鳴るお腹。
 そう思い、彼女はどうにか視線だけ下げて足を見てみればそこにあったのは極々普通の足。
 むくんでいたという事実はなかった、と言わんばかり。
 そして極めつけはお腹の調子。
 空腹感は全くなかった。

「……ここは……どこなのです?」
 
 口減らしの為に僅かな金銭を持たされて村から出された彼女にとって、こんな宿屋に泊まるお金は無い。
 そもそもその金もとうの昔になくなっている。
 泥棒するしかない、と覚悟を決めたものの、彼女のような子供ではどうにもうまくできず。

「……死んだのですか?」

 そう口に出し、ああ、と納得した。
 ここは死後の国か何かなんだろう、と。
 出なければ暖かい布団で寝るなんてことはできないし、あの足の病気も治らない、と。

 扉が開いたのはそのときであった。
 彼女はその音にどうにか気合を入れて体を起こし、入ってきた人物に数度瞬きした。

 その人物のは銀髪に色白という見慣れぬ容姿の少女であった。

「気がついたの」
「あの、ここはどこなのですか?」

 開口一番、彼女は尋ねた。

「雍州の武功よ」
「そうですか……死んでないのですね……」

 安心したような、それでいて残念そうな彼女に少女は告げる。

「私は高順よ。あなたは?」
「ねねは姓は陳、名は宮、字は公台なのです」
「……ちょっと待ってね」

 高順はそう言い、陳宮をじーっと見つめる。
 見つめられた彼女は首を傾げるも、特に何も言わない。
 高順はそれから3回連続で見つめた後、ようやく口を開いた。

「あなたの出身は?」
「兗州東郡武陽県なのです」
「兗州って司州を超えてきたの?」
「はいです。口減らしの為に村を出され、それから放浪していたのです」

 あの陳宮が口減らしで放浪というまさかの事実に高順唖然。
 若い頃から村の顔役として多くの名士達と交友を結び、曹操に仕え、その後呂布に仕えた……というのが高順の知識にある陳宮だ。
 とてもではないが、口減らしで手放せるような人材ではない……とそこまで考えたところで、この世界は大まかなところでは三国志に似ているが、服装やら食べ物やらその他諸々の意味でオーパーツが大量にあることを思い出した。
 それに彼女自身、馬一族の未来を変えてしまっている。
 ならばそういうこともあるのだろう、と最終的に納得してしまった。

 そんな高順に陳宮は問いかける。

「あなたがねねを助けてくれたのです?」
「一応そうなるかしらね。脱水症状、栄養失調、そこに脚気と壊血病の4連攻撃で死ぬ寸前だった」

 その言葉に陳宮は首を傾げる。
 栄養失調というのは何となくわかるが、それ以外の3つは聞いたこともないものであった。
 陳宮が問うよりも早く、高順は告げる。
 
「詳しい病気の説明は面倒くさいから省くわ。ともあれ、あなたはこれからどうするの?」

 その問いに陳宮は俯いた。

 アテがあればとうの昔にどうにかしている。
 それをわかっているだろう上で聞いてくるということは……

 陳宮はある可能性に思い当たり、顔を上げ高順を睨んだ。

「ねねを売ろうというのですか?」
「……悪いけど、お金にはそんなに困ってない」

 肩を竦めつつ、そう答える高順に陳宮は追撃する。

「ならば何故、ねねを助けたのですか? 慰み者にでもするつもりですか?」

 高順はそこまで頭が回る陳宮に思わず感心してしまった。
 助けたのはあくまで彼女の善意であるが、その後も面倒みなければ再びあの地獄を見るのは明らかだ。

「死んだ方がマシだってこともある、と?」

 その問いに陳宮は頷く。
 確かにその通りだよな、と高順も同意してしまう。
 ここで高潔な精神の持ち主であるならば生きていればいいことあると説教の一つでも言うようなものだが、あいにくと高順はそんないい奴ではない。

「まず大前提から考えましょう。あなたは生きていたいのか、死にたいのか」
「生きる術を見い出せないなら死んだ方がいいのです。あなたがどこかの太守や県令でねねを部下にしたいとか酔狂なことを言うのなら別ですが」
「まあ、その歳じゃまともな仕事もなさそうだしね……」

 今の陳宮の背丈はどう見ても一桁である。
 大人ですら中々仕事がないというのにそんな彼女を雇う酔狂なところはまずないだろう。

「雇えるくらいの金はあるけど、あなたは何ができるの? 性的なことはさせない。私の真名に誓って」

 高順の言葉に陳宮は目を大きく見開いた。
 真名に誓う、というのは絶対の約束だ。
 破ってしまえば死よりも辛い恥となる。

「相手の誠意を得るにはこちらから誠意を見せなければならないと思うの」

 道理です、と陳宮は心の中で同意しつつ、口を開く。

「ねねはこう見えても村で一番勉強ができたのです。読み書き計算、あと農作業も手伝っていたのです」
「農作業ではどんな役割を?」
「主に人に指示を出していたのです」

 なるほどなるほど、と高順は頷く。

 賈詡は政略も軍略何でもござれであるが、1人である以上、どうしても細かい穴が出てくる。
 その穴を潰す役目は陳宮ならばできるのではないか、と高順は考えた。
 また、月は素質はあるが、残念ながら未だ知識を取り込んでいる最中であるだろう、と高順は予想する。
 董卓には経験が不足しているのだ。
 対する陳宮は農作業の現場監督とはいえ、経験がある。
 ならば知識を与え、軍略にも応用が利くように、そしてもっと色々なことを経験させてやれば……

 武官、文官どちらも大事であるが、今は一応、戦時ではなく平時。
 ならばこそ優先されるのは文官である。

「……今、うちは戦争屋ばかりで文官が少ないのよ。見習い分も差っ引いて月に2000銭でどう?」

 陳宮は思わず言葉を失った。
 
 待遇が良すぎるのだ。
 大人が働いて月に平均600銭程度であるのにその3倍以上の給与。
 陳宮からすれば文字通りの目が飛び出るような大金であった。

 対する高順は逆の方を考えていた。

「少なかった?」

 その問いに陳宮はぶんぶんと首を勢い良く左右に振る。

「とりあえず、今、うちの頼れる軍師が色々暗躍しているから、しばらくは給与未払いで後で一括という形でいい? あ、勿論、その間の食費とか諸々のものはこっちで出すから」
「だ、大丈夫なのです!」

 陳宮にとってとりあえず三食満足に食べられればそれでよかった。
 高順はその返答に満足そうに頷きつつ、彼女に問いかける。

「呂奉先という人物を知ってる?」
「知らないのです」
「曹孟徳は?」
「名前だけなら知っているのです」

 なるほどなるほど、と再び高順は頷く。

「しかし、よく州を一つまたいでここまできたわね」
「森できのみやきのこを食べて餓えを凌いでいたのです」
「毒きのことかそういうのには?」
「見分けがつくから大丈夫なのです」

 馬超にその辺、教えてもらおうか、と高順はわりと真剣に考える。
 馬超はどうにも豪快で細かいことはあんまり気にしないタチだ。
 小腹が空いたから、とそこらに生えているきのこを食べそうなのは彼女が一番ありえそうであった。

「あ、それと私羌族だけどいい?」
「羌族なのです?」

 唐突な問いにも関わらず、陳宮は普通に返してきた。
 不意を突こうとした高順は肩透かしを食らった形だ。
 こういうところが頭の回転が速い証拠なのかもしれない。

「ねねは人をバリバリと食べ、馬に乗った銀色の鬼と聞いたのです」
「……いや、どこの怪物よ」

 人を食べるという事以外に関しては銀髪の戦鬼と読みかえれば合っているといえば合っているかもしれない。

「ところでねねも聞いていいのです?」
「いいわよ」
「高順殿は官軍を打ち破ったあの高順殿なのです?」
「少なくとも私以外に高順という名前を聞いたことはないわね」

 おお、と陳宮は目を輝かせた。
 そんな彼女に高順は問いかける。

「怖くないの?」
「漢王朝などもはや腐った家も同然なのです。護るべき家族……民を護ることなどできないのです」

 凛とした声で陳宮は言い放った。
 自らの体験やこれまでの見聞からそういうことは容易に推測できた。

「でも、あちこちで怖がられているみたいだけども」
「そうなのです。漢は先の戦闘で力がないことを証明したのです。異民族に襲われるかもしれない、とそういう噂でいっぱいなのです」

 ですが、と陳宮は続ける。

「それは異民族の実態を知らないからなのです。知らないことが一番怖いのです」
「……知ったら知ったで怒ると思うけども」

 略奪がただの小遣い稼ぎである。
 やられる側からすれば堪ったものではない。

「そうなのです?」
「うん。略奪するから恐れられてると思うんだけども、アレ、ただの小遣い稼ぎだしね」
「……高順殿はそういうことをしたのです?」

 陳宮はじっと高順の瞳をその琥珀色の瞳で見据え、問いかけた。

「興味があったのは確か。でも、やったことはない」
「今、やりたいと思うのです?」
「略奪よりももっと効率的で皆から好かれることをやるから、そんなことをする意味はないわね」

 高順の答えに陳宮はにっこりと笑った。

「ならば問題ないのです!」

 そんな笑顔を向けられてはさすがの高順も少々恥ずかしくなる。
 子供の笑み程強いものはあまりない。

「でも、私はあんまり漢人が好きじゃないわ。というか嫌い」

 高順の言葉に陳宮はしゅんとした表情で肩を落とす。
 彼女が嫌がらせやら何やらを受けたことは想像に難くない。

 そして、陳宮はあることに気がついた。

「高順殿の軍師は羌族なのです?」
「いえ、漢人よ」
「その人は悪い人なのです? 嫌がらせとかをしたりするのです?」
「そんなことするなら軍師なんてやらせてない……ああ、そういうこと」

 気がついたらしい高順に陳宮ははいです、と力強く頷く。

「理解し合えるし、全員が悪い輩ではない……そういうことね?」
「そうなのです。時間は掛かるですが、きっと関係を修復することはできるのです」
「まあ、うちの民族はもう漢に手を出さないって決めたしね」
「ならば尚更なのです!」

 陳宮に頷きつつ、賈詡も結構前、似たようなことを言ってたわね、と高順は思い出す。

「でも、綺麗事だけじゃ世の中は回らないわよ?」
「心得ているつもりなのです。でも、草の根をかき分けるように少しずつやっていけばきっと大丈夫なのです」

 なるほど、と頷く高順はある問いが浮かんできた。
 別にそれは陳宮がやらずとも良いことだ。

「そもそも、なぜあなたがそこまでするの?」
「それが平和な世の中への第一歩だからなのです! ねねは今の世の中を変えたいのです!」

 自らの体験から陳宮がそう導いたのも当然だろう。
 そして、彼女の夢に高順は思わず呟いた。

「……五族協和、王道楽土」

 陳宮はその言葉に首を傾げる。
 
「諸々の異民族や漢族が協力し合い、徳でもって統治するという意味よ」

 高順の説明に陳宮は目を輝かせる。
 まさにそれこそが彼女が朧気ながらも思い描く夢。
 陳宮の期待に染まった表情を見つつ、高順は思案する。

 この時代なら西洋列強は影も形も存在していない。
 ならば横槍もないが故に中国でそれを築くことはできるだろうし、日本と友好関係を結び、それを近現代まで維持すれば一次・二次の大戦の様相は全く違うものになる。
 否、そもそもそれが起きるかどうか分からない。
 
 シベリアを取れば帝政ロシアやソ連の影響を日本が受けることは皆無、中国がうまいこと発展すればソ連とも渡り合える。
 技術は日本、市場や資源供給地を中国とすれば中々どうしてうまいことアジアが回る。
 その未来は石原莞爾の最終戦争論と似たような推移をする可能性が極めて高い。

 アジアをまとめあげれば西洋列強やアメリカ、ロシアに打ち勝てる可能性は大いにある。
 この時代ならば日本に対して中国や朝鮮が険悪な感情を抱いているわけもなく、今のうちから友好関係を築けば余程のことをしなければそのままお互いに友好的にいけるだろう。
 アジア諸国が植民地化を免れれば西洋はその富を得ることができず、史実程に強大化しない。
 故に、文明の中心は必然的に西洋を倒したアジアとなる。
 そうなれば白人による黄色人種蔑視というものも出てこない。
 黒人蔑視は出てくるかもしれないが、そこはアジアがフォローすれば白人は何も言えなくなる。
 そして、黒人への偏見をなくさせる為にも今の異民族蔑視の風潮を何とかしないといけない……

「……ある意味、私は最大の機会を得ている。私は結果を見ることができないが、歴史をどうこうできるかもしれないなんて滅多にあることじゃない」

 思わず、高順の口からそんな言葉が出てきた。
 そう、今彼女はまさしく未来を変える権利を手にしていることを実感した。
 彼女が行動すれば未来は変わる。
 その最低のラインが中国を統一し、周辺諸国と永続的な同盟及び友好関係を結ぶこと。
 
 高順は身を震わせた。
 それは鳥肌ではなく、武者震い。
 その顔には不敵な笑み。

「陳宮」
「はいです」
「あなたのおかげでどうやら私はうまくいきそう」

 まさに奮起。
 自分の思う未来にするには曹操も袁紹も孫堅も劉備も誰にも天下統一をされてはならない。
 自らの手でやらねばそういうことはできない。
 未来に関する知識や予想を伝えたところで、その進言を取り上げてくれるか分からないからだ。

「高順殿のお役に立てたのならばいいのです」

 そんな可愛いことを言う陳宮の頭を高順は優しく撫でてやる。
 えへへ、と笑みを浮かべる陳宮。

「……賈詡がどこにいるか、それが問題ね」

 そのとき、扉が叩かれた。
 高順が誰何すれば何と賈詡からの使者だという。
 使者によれば今は冀州南皮の袁紹に客将として仕えており、すぐに来られたし、とのことだった。


「賈詡、空気読みすぎ……」

 偶然そうなっただろうが、高順はそう言わずにいられなかった。
 そして、また扉が叩かれ、誰何する前にそれが開く。
 入ってきたのは買い出しに出かけていた華雄達だった。

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