最近の神界や魔界では適当な人間を殺して転生させるのが流行っている。
勿論、ただ転生させるのではなく、その転生者が望むゲームやマンガの能力や容姿変更を特典として与えている。
これで大半の転生者――主に対象は10代前半から20代前半のコンプレックス持ちの男子――は嬉々として転生を受け入れる。
とはいえ、与える能力や容姿なんぞ神魔族にとってはいつでも除去できる程度のもの。
調子にのったところで取り上げて絶望のどん底に叩き落として精神的に殺すというのが転生者の末路。
勿論、彼らが得たハーレムなどはその転生させた神魔族に美味しく頂かれる。
特に過激なのが言うまでもなくアシュレイであり、彼女は転生者から能力を取り上げ、その転生者が築いたハーレムを目の前で横取りする。
自分の女達が別の男――ではないが、ともあれ、自分以外の男根を咥え込んで嬉々として腰を振っている様を見せつけられれば大抵は落ちる。
そこで更に転生者の男根を見せ、アシュレイと比較させて女に短小と鼻で笑われたら完全に精神崩壊だろう。
ネギま!世界だと喜んでいた転生者達にとって、行ってみたらR20相当のエログロ欝漫画の世界だったという驚愕のオチが待ち受けているのだ。
ともあれ、重要なのはそこではない。
今回の話の肝は美とか愛とかを司る誰でも知っているギリシア神話の某女神が男の転生者にとある危険な能力を与えてしまったのだ。
その能力は魅了。
神界で多くの神族を魅了する彼女のソレをもらった転生者であったが、これからというときに邪魔が……というよりか、たまたまその女神とベッドの上で戦おうとやってきたアシュレイとばったり会ってしまったのである。
そこからは早かった。
転生者の魅了がバッチリ発動してしまい、一瞬でアシュレイはその転生者にベタ惚れ。
さすがのアシュレイといえど、主神に分類されるその女神の魅了を出会い頭にもらっては堪らない。
イタズラ好きで知られるその女神も神族が惚れるならまだしも、地獄のアシュタロスが惚れてしまう――それも自分が与えた能力で――というのは下手したらハルマゲドンにつながることが容易に理解できたので慌てて解除しようとしたが、それよりも早くアシュレイは転生者を拉致って地獄へと帰ってしまった。
地獄へやってきたアシュレイはそのまま自分の城の自室に直行し、自室を加速空間とした。
そして、彼をベッドの上に優しく仰向けに置くと彼に跨った。
アシュレイのスカートは三角のテントのように膨らんでいる。
彼はアレ、と違和感を覚えた。
「ねぇ……私のおちんちんこんなに大きくなってるの」
そう言い、アシュレイはそのテントの部分をその白い手でさする。
彼女の顔は紅く染まっており、その息は荒い。
「……男の娘?」
彼は戸惑いながらもそう問いかけるが、アシュレイは首を左右に振る。
「ちゃんとおまんこもついてるよ」
そう言い、彼女はスカートをめくり上げた。
黒いショーツに収まりきれない程に勃起した男根、そして股から垂れる透明な液体。
童貞であり、エロ動画やエロ漫画でしか見たことがなかった彼はその様子にごくり、と唾を飲み込んだ。
ついているいないとか正直、どうでもいい。目の前の少女は俺のものだ――そう思ってしまった。
後戻り不能地点に彼は足を踏み入れてしまった。
「あなたのおちんちんもすっごく大きくなってるね」
アシュレイはそう言い、彼のズボンの三角テントに顔を躊躇なくつけた。
「はぁ……凄い匂い……おちんちんの匂いがいいよぉ……」
さらに彼女は舌をその膨らんでいる部分に這わせ、ぺろぺろと舐める。
その絶妙な刺激に彼はもう射精寸前であった。
だが、アシュレイはそれを見逃さない。
「初めての射精は私のおまんこの中よ」
そう言い、彼女は射精を止める魔法を彼にかけた。
すぐにでもイきそうであった彼は切なそうな顔で彼女を見る。
だが、アシュレイはくすくすと笑いつつ、自らのショーツを脱ぎ、彼の目の前にもってきた。
彼女の愛液がべったりとついているソレ。
ゆっくりとそれを彼女は彼の顔へ近づけた。
香るアシュレイの匂いに彼は再び唾を飲み込んだ。
彼は拘束されているというわけではない。
だが、このままされるがままの方が美味しいのではないか、と思い動かなかった。
「私のね、おまんこの匂いとおちんちんの匂い……嗅いでみて」
彼の顔にショーツを置き、さらに彼女はそのまま顔を近づけた。
ショーツを間に挟み、アシュレイは舌で彼の顔を舐める。
響く水音。
彼はアシュレイに匂いで頭がくらくらしていた。
もう原作とかどうでもいい――
そういう考えに至るのも仕方がないことだろう。
「私、あなたのことが好きなの。あなたのおちんちんが欲しいの、いっぱいエッチしたいの」
女の子にこんなことを言われたことがない彼はホイホイ頷いてしまった。
綺麗な華にはトゲがつきもの。
それがアシュレイとなればそのトゲはこの世で最も危険なものだ。
「嬉しい……もう永遠にあなたは私のもの」
笑顔でアシュレイはそう言い、どこからともなくコップを取り出した。
アシュレイは空いている手で彼の顔からショーツをどかし、優しくその手に背を回して体を起こす。
「ちょっと待ってね」
彼女はそう言うと、コップの中に自らの男根を突っ込み、しごき始めた。
ふたなり娘のオナニーなんぞ見たことがない彼はなぜコップに突っ込んでいるのか、というところには疑問を持たずにただアシュレイの痴態を見るだけであった。
「んっ……!」
やがてアシュレイはコップの中に白濁とした精液を放出した。
ねっとりとしているそれは凄まじい臭いと量であり、コップに入りきらずにベッドの上にこぼれてしまっている。
そして、アシュレイはさらにコップを床に置き、その上に跨り、自らの割れ目のいじり始めた。
ぽたぽたと垂れ落ち、コップの中に入る愛液。
恐ろしく卑猥な光景に彼は知らず知らずのうちにズボンとパンツを下ろし、手で己の男根をしごいていた。
無論、射精は止められているので絶頂寸前までいくが、放出はできない。
そのお預けにもっと快楽を、とより早く手で動かすことになるのだが、それが更なる快感を呼び込んでしまう。
そんな彼にアシュレイはそのコップを笑顔で差し出した。
動かしていた手を止めて、彼は目をぱちくりとさせ、彼女に視線で問いかけた。
「飲んで。私の精液とおまんこ汁」
いきなりのハード要求であった。
だが、彼の理性はどこかに飛んでいる。
コップを受け取ると彼は一気に飲み干した。
どろり、とした熱い液体が喉を通る。
その臭いと味に彼はますますその男根を大きくさせた。
彼にアシュレイははにかみながら、そのコップとは別にコップを取り出した。
するとそのコップからはみるみるオレンジ色の液体が湧き出してきた。
満杯になったところで彼女はそれを彼に渡した。
「飲んで。私と永遠に」
彼は催眠術にでもかかっているかのように、意味を聞くこともなくそれを飲んでしまった。
アシュレイは満面の笑みを浮かべ、彼の唇に吸い付いた。
舌を彼の口内へ侵入させ、あちらこちらを舐め回す。
最後に彼の中に自らの唾液を大量に送り込んで離れた。
「包茎おちんちんって素敵だわ」
アシュレイは再び彼の男根へ顔を近づけ、まじまじとその様子を観察する。
我慢汁が溢れてもなお、完全に剥けてはいない彼のモノ。
「見て、私も包茎なの」
彼女はそう言い、彼の顔に自らの男根を近づける。
同性同士でなら彼も見たことはある。
だが、女性の男根などは当然見たことがない。
男のモノであるならば嫌悪感が先行するが、それがアシュレイのような少女のモノとなれば興奮が先行する。
彼はゆっくりとアシュレイの亀頭の先端に舌先をつけた。
そして、チロチロと蛇が舐めるように彼女のそこを舐め始めた。
与えられる感触にアシュレイは嬌声を上げ、ぐいぐいと腰を前へ……すなわち、自らの男根を彼の口へねじり込んだ。
彼は女の子のモノをくわえ込むというアブノーマルな事態であったが、特に抵抗することはなかった。
既にそんな気力はなく、ただ快楽に身を任せている。
口一杯に広がるアシュレイの匂い。
彼は夢中で彼女の男根を吸い、舌で舐め始める。
じゅぽじゅぽと卑猥な水音が響く。
アシュレイは稚拙ながらも一生懸命な『愛しい』彼の奉仕に興奮し、喘ぎ声を上げる。
やがてアシュレイは彼の頭をしっかりと両手で掴み、一気に己のモノを彼の喉奥へと付き入れた。
こみ上げた絶頂に彼女は逆らうことなく、身を任せ、彼の喉に大量に白濁としたものを放った。
彼は必死でそれを飲んだが、アシュレイの量は尋常なものではなかった。
故に咳き込み、口から大量にこぼしてしまった。
それを見たアシュレイは彼の身を気遣うよりもまず問いかけた。
「……私のこと、嫌いなの……?」
悲しみに満ちた、今にも泣きそうな顔。
彼は咳き込みながらも頭にはてなマークが浮かんだ。
何でそうなるんだ、と言いたかったが、彼は女の子に免疫がある方ではない。
というか、そもそも免疫があったら魅了の能力なんぞ欲しがらない。
女の子の涙に弱い彼はほいほいとそんなことはない、と否定する。
「だって、私の精液飲んでくれなかったじゃない……」
ひっくひっくとしゃくりあげ、その紅い瞳には大粒の涙。
ここでアレ、と思えば彼はまだ助かったかもしれない。
だが、彼にとって重大なことは自分が女の子を泣かせてしまったということ。
その内容にまで気が回らなかった。
彼は慌ててあれこれ弁解するが、彼女の泣き声は酷くなるばかり。
そして、部屋の外から刺すような寒気――殺気――を感じ始めたとき、ようやくアシュレイは泣き止んだ。
するとその寒気も収まった。
部屋の外には誰かがいるらしいが、彼はそちらよりもアシュレイを優先した。
彼は震える体をどうにか落ち着かせながら、必死に弁解する。
「……本当に好き?」
アシュレイの問いかけに彼は何度も頷く。
「じゃあ、子供作ろう? 私、あなたの子供が欲しい」
彼は固まった。
今まで彼は欲に流されてきたが、よくよく考えればセックスはそもそも子供を作る為の行為である。
ゴム――いわゆるコンドームがなく、そのまま中に出せばできるのは当然のこと。
まあ、アシュレイの場合は特殊だが、今の彼女は子供ができるように体を切り替えていることは容易に想像ができる。
返事がない彼にアシュレイはやや顔を俯かせた。
彼女の黒髪で顔は隠れてしまい、その表情は窺えない。
「嫌、なの?」
感情がこもっていないその声に彼の背筋に悪寒が走る。
「ねぇ……嫌なの? 私と子供作るのが」
彼は何も言い返せない。
彼もよくある転生者の例に洩れず、殺す覚悟が云々と考えてしまう輩であったが、そんな彼も子供を作る気はなかったのだ。
彼風に言うならば子供を作る覚悟がないのにセックスするな、である。
「でも、いいわ」
アシュレイはそう答えた。
「私はあなたが好きだから……だから、子供が嫌なら永遠に私のものに。セックスよりももっと一つに」
え、と彼が思ったとき、アシュレイは目にも留まらぬ速さで彼の首筋に噛み付いていた。
ぶちゅ、と肉に牙が食い込む音。
鮮血が溢れ出し、2人を真っ赤に染める。
遅れてやってきた焼けるような痛みに彼は苦悶の声を上げる。
ぶちっと肉を食いちぎり、アシュレイは咀嚼し、飲み込んだ後、満面の笑みで告げる。
「大丈夫、あなたは不老不死になっているから。勿論、精神も壊れないようにしてあげる。だから……こうやって、ずーっと食べてあげる。そうすれば永遠に一つだよ」
そう言い、アシュレイは彼の首をへし折り、首を胴体から引っこ抜く。
その際、背骨が首に少々くっついてくるが、彼女は気にしない。
「よいしょっと」
アシュレイは彼の頭をぱっくりと割り、中の脳をうっとりと見つめる。
「あなたの一番大切なところ、美味しそう……」
そう言い、ペロペロと舌で脳を舐める。
広がるその味にアシュレイはとても幸せそうな顔。
やがて彼女は脳に勢い良く噛み付いた。
こうして転生者の彼は某女神がやってくるまで延々とアシュレイに食われ続けた。
現実時間としては数時間程度であったが、アシュレイは加速空間にしていたのでその時間は数百年にも及ぶ。
助けだされたとき、彼は聖人と呼ぶに相応しい程に悟りを開いてしまっており、欲は全く無くなっていた。
当のアシュレイはというと不味いもの食ったと言わんばかりに顔を真っ青にして、口直しに淫魔を食べに行った。
そして、彼はそのまま今回の一件について話し合っていたキーやんやサッちゃんらの前に連れて行かれた。
そこであまりの悟りっぷりにキーやんが感心してしまい、そのまま神族となってしまった。
その後、彼は神界で可愛らしい天使の嫁さんを貰い、末永く幸せに暮らしたそうな。
能力貰って転生がいいこととは限らない、そういうお話。